2024年の岩手競馬年度代表馬はフジユージーンに決定!  2024年度岩手競馬の顔≠ヘフジユージーンに決定した。  1月14日(火)、盛岡競馬場馬場管理棟内で年度代表馬等の選考委員会が行われ、各部門最優秀馬、馬事文化賞、特別表彰馬などを選考。各部門の最優秀馬の選考結果は後述するが、出席した選考委員全員がフジユージーンの年度代表馬に異論なし。2000年、現行スタイル(それ以前は年間獲得賞金によって決定)の選考委員会が導入されて以降、史上10頭目の3歳馬が年度代表馬に選出された。  管理する瀬戸幸一調教師に話を聞いた。  ― 選考委員全員がフジユージーンを年度代表馬に推奨しました。  「楠賞(園田)を勝って、シーズン最後もしっかり勝って締め括ってくれましたからね。私自身はロックハンドスター以来(2010年)の年度代表馬ですが、それ以上に注目されているのを実感しています」  ― 岩手クラシック二冠も制し、無敗8連勝でJpnUへ昇格した不来方賞へ挑戦しました。  「平日火曜日でしたが、ファンの方々、報道陣が多く駆けつけてくれてすごく盛り上がりましたよね。JRAの強豪が参戦しましたし、2000mも長く4着でしたが、ジャパンダートクラシック挑戦を含めていい経験になったと思います」  ― それが楠賞優勝にもつながったんでしょうね。  「だと思います。地方競馬の豪華メンバーがそろいましたが、着は外さないだろう。状態も良かったのでいい競馬をしてくれるとは思っていましたが、強い内容で勝ってくれた。今までに見せたことがない気迫ある顔つきだったのも印象的でした」  ― フジユージーンの近況を教えてください。  「昨年と同じく静岡県御殿場にある富士ファームで英気を養っています。今月24日あたりに会いに行く予定です」(取材日は1月19日)  ― 父ゴールデンバローズが4年ぶりに種牡馬復活しました。フジユージーン効果も大きかったと思います。  「80頭以上(最終的に84頭)も種付けしたと聞いてビックリしました。フジユージーンなどが活躍し、種牡馬再開できて光栄に思っています。調教師冥利につきますし、生まれてくる子供たちが楽しみです」  ― 気の早い話で恐縮ですが、今シーズンの青写真をお願いします  「2月末に水沢へ帰厩させる予定です。あとは乗り込み次第ですが、シアンモア記念から始動を考えています。最大目標はマイルチャンピオンシップ南部杯ですが、どのようなステップを踏んでいくかは状態次第。馬と相談しながら使うレースを決めたいと思っています」  遠征競馬もまったく問題ないことは楠賞、ジャパンダートクラシックで証明済み。言葉には出さなかったが、瀬戸調教師の視界に遠征も入っているのは確実だった。4歳を迎えたフジユージーンとの再会を心待ちにしております。   続いて各部門最優秀馬の選考報告をお伝えしたい。  ▽2歳最優秀馬=ポマイカイ  最も評価が分かれたのが2歳最優秀馬部門だった。交流・南部駒賞、プリンセスカップ、ジュニアグランプリ(ダート変更で実施)はすべて北海道所属馬が上位を独占。地元馬で複数の重賞を制した2歳馬は1頭もなく、混とんを極めたが、ネクストスター盛岡を制したポマイカイ5票、サウザンドマイル2票、該当馬なし2票の結果からポマイカイが選出された。  ▽3歳最優秀馬=フジユージーン  ▽4歳以上最優秀馬=ヒロシクン  中央1勝クラスから転入後、10戦7勝。桐花賞4着以外、地元同士の戦いで負けなし。一條記念みちのく大賞典、青藍賞、トウケイニセイ記念と重賞3勝。ミニアチュール、ゴールデンヒーラーも選考対象に上がったが、ヒロシクンが断然リードして選ばれた。  ▽最優秀牝馬=ミニアチュール(父ラブリーデイ、佐藤祐司きゅう舎・水沢)  シーズン3戦目の盛岡1000m完勝をきっかけに古馬の壁を突破。その後、圧巻の5連勝を飾り、牝馬全国交流ビューチフルドリーマーカップも快勝。同レースがグランダム・ジャパン≠ヨ昇格した2010年、マイネベリンダ以来、14年ぶりに地元優勝をもたらし、岩手競馬グランプリ・桐花賞ではハナ差2着に惜敗。同厩ゴールデンヒーラーを圧倒して最優秀牝馬に選出された。  ▽最優秀短距離馬=ゴールデンヒーラー  シーズン前、佐藤祐司調教師が「今年は短距離路線を歩ませたい」と公言したとおり、白嶺賞を皮切りに4連勝(重賞3連勝)の快進撃。JpnV・クラスターカップを目標にしていたが、無念のリタイア。後半戦も休養などで順調さを欠いたが、12月23日、スプリント特別5着で現役にピリオド。当初の予定どおり、生まれ故郷の下河辺牧場で繁殖生活に入った。  ゴールデンヒーラーは通算成績35戦16勝、重賞11勝。2歳時に最優秀短距離馬、3、4歳時に最優秀牝馬、そして今年度は再び最優秀短距離馬の栄誉を獲得。合計4度の最優秀馬選出も勲章となるに違いない。  ▽最優秀ターフホース 2024年度は芝走路悪化のため、実施された重賞は3歳以上・いしがきマイラーズ、3歳・サファイア賞の2レースのみ。それに伴い、最優秀ターフホースの選考は見送られた。  ▽特別表彰馬=トーホウエンペラー  昨年10月25日、繋養先の新ひだか町・静内フジカワ牧場で死去。現役時代、東京大賞典、マイルチャンピオンシップ南部杯と当時GTレース2勝。また2年連続でNARグランプリ年度代表馬にも選出され、岩手競馬に多大な貢献を果たした業績に敬意を表し、特別表彰馬に選ばれた。  以上の年度代表馬、各最優秀馬、2024シーズンを通じて活躍した騎手・厩舎関係者等の栄誉を讃える『2024 IWATE KEIBA AWARDS』授賞式・交流会は2月14日(金)、盛岡市内のホテルメトロポリタン盛岡NEW WING 4Fメトロポリタンホールで一般ファンも交えて行われる。